観光とは非日常体験すること。
最近の観光事情は、「物見遊山」という捉え方からようやく本来の「観光」(=国の光を観る。用て王に賓たるに利し)の意味に近づいてきていると感じています。

 数日前の新聞にインフラツーリズムについて、国交省が2016年度に予算を計上し、有識者会議を立ち上げるとの記事が載りました。
 インフラツーリズムは、橋・ダム・トンネル・高速道路など普段公開していない大きな公共施設の設備、作業を見学できるツアー。
有識者会議では事例を紹介し、実施のノウハウを地方自治体向け指針として策定するとのことです。
 記事には、明石海峡大橋の管理用通路を歩きつり橋頂上から絶景を楽しむツアーに年間1万人が参加しているとありました。

 インフラと共に、産業遺産・工場見学に代表される産業観光も注目され、個人的にも最も興味を抱く分野です。
 これからインフラ・産業が観光に繋がっていくために、特に以下の2点について地方自治体の役割が重要になってきます。
 ①将来にわたるまちづくり計画(わがまちの特徴を熟知していることを前提に)が、まちの随所に感じる。
 ②自治体が主導するのではなく、民間に協力していく体制が更に必要となってくる(コーディネータの存在)。
  行政視察で訪れた、以下のまちは国の地方創生モデルとして紹介されています。
 岡山県真庭市 バイオマスツアー
 徳島県神山町 イン神山
 岩手県紫波町 オガールプロジェクト
 3か所の共通点は、地元に民間人のキーパソンがいることです。
 次に、一時代の役割を終えたインフラ(建物)が再び脚光を浴びた
 横浜赤レンガ倉庫
 門司港レトロ 
 一般の方々が見向きもしなかったインフラスポットが、ネットの広がりによりマニア、ファンから大きく展開した
 コンビナート夜景

 成功事例はきっと、インフラも産業遺産も工場見学も目先の誘客数を期待しているのではなく、まちづくりのコンセプトの1つとして位置づけたシティプロモーションが確立されているものであると思います。