公共施設の今後の在り方について、市長に質問をしました。
公共施設マネジメントを進めていくに当たり、大きな課題が2つあると思います。公共施設、社会資本のあり方について、私は少しでも早く上田市全体の課題として市民の皆様に情報を示し、一緒に考えていく必要があると思っております。
 1、人口減少社会において増大していく公共施設、社会資本に対する維持管理、更新に関する予算についての考え方
 2、将来的には公共施設の統廃合、複合化を見据えた再配置の検討など、今後のまちづくりについての考え方、この2つについて母袋市長の考え方を伺いました。

 答:公明党を代表して半田議員の質問に答弁いたしますが、今部長からも答弁いたしました今後公共施設の再編、再配置、また長寿命化の公共施設マネジメントそのものは、将来に向けて避けて通れない重要な課題、このように認識をいたします。そういう中で、将来の更新あるいは維持管理に係る費用、こういった試算は、部長から申し上げたとおりでございますけれども、これらの費用、確実に増大していくことが見込まれているわけでございます。そういう中で、上田市が所有する全ての公共施設を将来にわたって現状のまま維持、それはとても無理、難しい課題であると思います。このような状況を鑑みますと、将来にわたって持続可能な行財政運営を行っていくことを基本としながら、公共施設全体のまさに最適化を実現するために公共施設マネジメントの取り組み、これを着実に実行することが今求められております。
 さらに、将来の人口構成や社会経済情勢とか地域の特性などに対応した施設の再配置というものに向けて、公共施設のあり方について市民の皆様のご理解を得るというのが大変重要でもあり、また難しい局面でもあろうと思っております。そういう中で、最適とはという視点から配置を検討するに当たっては、さまざまな機会を捉えながら、今後市民あるいは議会の皆様への十分な情報提供を行いながら議論を重ねてまいりたい、このように思います。
 公共施設マネジメントを推進していく上で3点ほど視点として申し上げますが、まず1つには、個々の施設が提供する公共サービスの適正化とか、将来的な公共施設の総量、全体の量の総量についての検討、これが必要だろうと思っています。
 2つには、これまでの公共施設は縦割り行政の中で単独施設という整備が多かったわけでありますが、これを機能が異なる複数の施設を複合化とか多機能化することによって管理運営費の削減を図ったり、敷地の有効活用等が可能とするほか、施設間の機能連携、あるいは世代間交流が図られて新たな地域コミュニティーの創出、今後のまちづくりにつなげていけるということも考えて、そういった期待の中進めていく必要があるだろうと思います。
 3つには、公共施設の再配置ということに当たりましては、やはり将来の人口動向、年齢構成、あるいは行政サービス需要、市域全体のバランス等、こういったものも勘案して適正配置を検討していくということになりますが、一方で地域の特性、あるいは周辺市町村との広域的な連携、そういったものによる相互利用という課題も生まれてくるかもしれません。さらに、都市のコンパクト化、こういったものも施設の施策推進上の位置づけ、こういったものを加味しながら、上田市の将来のまちづくりを念頭に議論していくこと、こういった3点が重要なことだろうと思っております。
 このように量的な見直しについて申し上げましたが、一方で質的な面ということからいたしますと、公共施設の安全性を確保しながら、できるだけ長く使い続けていくため長寿命化、また計画的な維持保全、こういったものを図っていく必要がございます。また、施設の更新、改修等においては、民間の資金とか技術、ノウハウ、これを活用する、PPPとかPFI、そういったことも言われます。民間活力の導入についてもあわせ検討していく必要があろうと考えております。
 いずれにいたしましても、今後大変財政的には厳しい局面も予想される中で、限られた財源を有効に活用して市政の重要課題への対応、また施策を着実に推進する一方において、この公共施設マネジメントに向けた不断の取り組みが大変重要になってまいります。行財政経営の効率化という観点はもとより、上田市のまちづくりを念頭に置いて、将来の世代に負担をなるべく先送りしないという視点を強めながら、よりよい資産を次世代に引き継いでいくためにも市民の皆様のご理解得ながらともに進めてまいりたい、このように考えております。