12月5日(金)開催された総務文教委員会では、市民から提出された「集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回することを求める請願」について審査を行いました。その結果、賛成2、反対5人で委員会では不採択となりました。前回9月定例会でも同様の請願が提出され、同じく委員会そして本会議でも不採択となりました。
 今回の請願事項は、
民意尊重の観点に立ち、「集団的自衛権行使容認」の閣議決定を撤回するよう関係機関に意見書を提出すること。
 
 前回と共に、委員会では私から、以下の反対討論を行いました。
請願第9号
 集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回することを求める請願について、反対の立場から討論をいたします。
 請願趣旨にある「日本が攻撃されていなくても海外で戦争ができるようにする」憲法9条を踏みにじる、正に集団的自衛権を容認する閣議決定ならば、私も反対です。しかし、7月1日の閣議決定は、1972年に示した憲法9条の下で許容される自衛の措置に関して「今後とも維持されなければならない」と明記され、いままでの憲法解釈の基本的な考え方を継承しています。新3要件による自衛権発動は、「わが国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置として初めて許容される」として、あくまでも自国防衛に限った措置であることは外国防衛が目的のいわゆる集団的自衛権を認めていません。
 さらに、ジャーナリストの田原総一朗氏は「内閣法制局長官が閣議決定について、平和憲法の基本原則である「自国防衛の基本は維持している」という趣旨の答弁をしたが、全くその通りだ。解釈改憲だとの批判もあるが、閣議決定を読む限りそれは当たらない」と述べています。
 また、請願事項にある「民意尊重の観点」について、様々な世論調査結果を例にあげていますが、ここで例示されている設問内容は「解釈改憲をして集団的自衛権の行使容認」と断定したうえで賛成か反対か質問している点は果たして正確で公平な設問設定と言えるか疑問に感じると共に、今回のいわゆる集団的自衛権に関する報道機関が行った世論調査には当初から、それぞれの結果が上回った賛成と反対の多さがバラバラになる結果が出ていた事を鑑みると、果たして調査結果だけから民意総意というには根拠が乏しいのではないかと判断されます。
 佐藤丙午拓殖大学教授は、一連の報道について「安全保障問題では、バランスが取れた報道をするべきだったと思う。一部のメディアの展開した議論には合理性がなく、そこに至るまでに複数の変数が介在する非常に極端な例を取り上げて、それが、さも普遍的なことであるかのような報道をしていた」とのコメントの通り、法整備を進めていくにあたり、今後は根拠を基にした冷静な議論が望まれます。
 以上の理由から、本請願についての反対討論とします。以上