9月24日に放送されたNHKクローズアップ現代「揺れる地方議会 今何が起きているのか」を見ました。
内容は2つに分かれます。
①元兵庫県議会議員から発覚した政務活動費の使い道
②なり手がいない。定員に満たないまたは、選挙にならない市町村議会
そして①と②から、地方議会の役割を問う番組となっています。
政務活動費
問題視されるのは主に都道府県議会等に支給される高額?な政務活動費の使い道でした。
兵庫県議会の場合、N元県議だけではなく、年度末に100万円単位で切手を購入する。同じ領収書のコピーの使いまわし。など、公費の使いきりを目的としているようにも映ります。
いままで個人への支給に加え、領収書の原本添付をしなくても良い事や、視察研修報告書を提出、公開されていない。また、夫婦で訪れた観光施設の入場券の領収書に加え、来場者〇〇万人記念で広報紙に写真が載り「良い記念になりました」などコメントが記載されることは政務活動費の目的が議員個人のためにある事のように見えてしまい、地方議会、議員への不信に繋がっていきます。
 しっかり行政側をチェックするため、政策提案するために政務活動費を活用する事が望まれる一方で、政務活動費を支給していない市町村議会もかなりあります。
地方議員のなり手がない
 都道府県議会は高額な政務活動費の使い道が問題となっていますが、小規模な市町村議会では、議員のなり手不足が深刻となりつつあります。
 定数に満たない町村議会、定員数の立候補で選挙にならない。
北海道千歳市議会議員の方々が市民アンケートをとった結果には「市をチェックするのは町内会長で十分」など議会不要論というか、議会が何をしているのか分からないという意見が多いことは、何もこの市だけの事ではないと思います。
 また、行政のチェック機能としていた主にまちの名誉職的な地位だった地方議員の存在は、大きく変化しています。
 議員報酬についても議員のほかに仕事を持たなければやっていけない現状と、その中で、ゲストの北川元三重県知事が話す議員の「政策提言・立案」力が求められ、発揮されなければならない。
 「市をチェックするのは町内会長で十分」という意見は結構あります。
多くの自治体で、地域内分権を模索し実施している市町村が出てきています。ある一定の予算と事業を決定できる権限を自治体内の小学校区、中学校区単位で構成する「まちづくり協議会」等に分権していく制度ですが、確かに地域の課題を解決していく手法の一つです。ただし、産業振興、雇用や子ども、女性など世代別の課題等地方自治体が行う事業政策は地域に割り振れるものばかりではない事に加え、ほんとんどの「まちづくり協議会」の委員は首長からの任命(委嘱)です。選挙ではありません。
これからの地方議員の姿
 「地域のことは地域で」地域内分権が進めば進むほど議員数も現在ほど必要ないのかもしれませんし、地域住民が自ら地域自治に参画していくことは大変重要です。
 益々、地方議員は市政全体に対して政策提言、立案そして実現できる手法を模索する努力が求められると思います。
政務活動費を活用し学び、現地を見る目的は何か、選挙を通じて選ばれることの意味をいつも確認していかなければならない・・地方議員は不要なのか、それとも、人口減少が深刻となる中でこれからの市町村をどのように描き進めていくために重要な役割となるのか、その答えは私たちにあると思います。
 特に市町村議会、議員の責任は重い。